今回は「偏差値の低い薬学部はアリなのか?」という疑問についてみていきたいと思います。
現在、高校生の方は進路の参考にしてください。また、すでに偏差値の低い薬学部に在籍している人は就職などの観点でも参考になるかと思います。
偏差値の低い薬学部とは?
偏差値の低い薬学部とはどういうことなのでしょうか?
恐らく、偏差値の低い薬学部とは「私立大学」のことなのではないかと思います。では実際に、偏差値:35~45くらいの私立大学についてみてみましょう。
大学名 | 偏差値 |
---|---|
北海道医療大学 | 43 |
東北医科薬科大学 | 43 |
高崎健康福祉大学 | 43 |
城西大学 | 42 |
武庫川女子大学 | 42 |
鈴鹿医療科学大学 | 40 |
広島国際大学 | 40 |
安田女子大学 | 39 |
長崎国際大学 | 39 |
奥羽大学 | 38 |
青森大学 | 35 |
日本医療創生大学 | 35 |
日本薬科大学 | 35 |
新潟薬科大学 | 35 |
北陸大学 | 35 |
姫路獨協大学 | 35 |
福山大学 | 35 |
徳島文理大学 | 35 |
九州保健福祉大学 | 35 |
第一薬科大学 | 35 |
ということで、私立大学であれば偏差値:35〜45でも薬学部に入ることができます。入学の敷居が低いというのが最大の魅力かもしれませんね。
私立大学で6年間通うとなると偏差値の問題よりも『学費の問題』が出てきそうですが、親がお金持ち&奨学金などを借りることができるのでこういった大学への進学も全然アリかなと思います。
偏差値の低い薬学部はアリなのか?
「偏差値の低い大学ってどうなの?」っていうことですが、結論からいうと偏差値が低い大学でも薬剤師の国家資格さえとってしまえば問題ありません。
東大生であろうと早稲田大学生であろうと関係ないかと思います。「6年間大学に通い国家試験に合格する」ただそれだけです。
例えば、偏差値の低い大学から弁護士になったらむしろすごいですよね。そんな感じです。「必ず薬剤師になりたい!」という強い意志があれば大学の偏差値は関係ないのです。
国家試験の合格率は低い傾向
では、なぜ「偏差値の低い薬学部はアリなのか?」ということが言われるのかというと、それは私立大学が「薬剤師国家試験の合格率が低い」ことが多いからです。ザッと例を見ていくとこんな感じになっています。(参考:第105回 薬剤師国家試験合格状況)
国立大学 | 合格率(%) |
---|---|
北海道大学 | 88.6 |
東北大学 | 85.7 |
東京大学 | 53.0 |
千葉大学 | 80.9 |
富山大学 | 82.7 |
金沢大学 | 97.5 |
京都大学 | 82.4 |
大阪大学 | 83.3 |
岡山大学 | 80.9 |
私立大学 | 合格率(%) |
---|---|
北陸大学 | 56.4 |
名城大学 | 92.5 |
福山大学 | 64.4 |
徳島文理大学 | 54.1 |
第一薬科大学 | 39.3 |
九州保健福祉大学 | 57.8 |
青森大学 | 44.9 |
日本薬科大学 | 42.1 |
武蔵野大学 | 81.7 |
奥羽大学 | 45.6 |
高崎健康福祉大学 | 66.9 |
長崎国際大学 | 67.3 |
医療創生大学 | 87.0 |
姫路獨協大学 | 37.9 |
鈴鹿医療科学大学 | 58.7 |
やはり国立大学のほうが合格率が高いですよね。(東京大学が低いのが面白いですね。まぁ偏差値なんてのはあまり関係なくて要は、勉強するかしないかの違いという証明になるかと思います)
ただこれ、私立大学の勉強内容が悪いとかそういったことではなく、偏差値の低い私立大学は単純に勉強しない人が多いからです。
大学生になると時間があまりあるので、アルバイトやサークルに明け暮れます。それだけなら全く問題ないのですが、授業をさぼったり、ギャンブルにはまりこんだりということもよくある話です。
なので「大学に入ってもしっかり勉強する」という意志が重要です。というか、国家試験対策はむしろ私立大学のほうが手厚い印象があります。
特待生によって経済的なメリットを受けやすい
偏差値の低い大学にもメリットがあります。それは『特待生』という制度ですね。大学内で上位成績であれば、薬学部の学費を援助してもらえたり、実習先の病院を優先されたり、希望の研究室に入れたりします。
- 学費を援助してもらえる(最大半額)
- 実習先を優先的に選べる
- 希望の研究室に入れる
なので、自分の偏差値が高くても、あえて偏差値の低い薬学部を受験して『特待生』になってみるのもアリかもしれません。
「とりあえず偏差値が高い大学に進学するかー。」という感じではなく、経済的なバランスを考えられるといいかもしれませんね。
偏差値の低い薬学部の就職は?
あとは就職の問題ですかね。国家試験に受かったとしても就職先がなかったら意味がないですよね。
結論からいうと「薬剤師の就職に学歴はあまり関係ない」です。国家試験に合格していれば出身大学の偏差値が低かろうと「薬剤師として働くだけの知識は十分備わっている」と見なされます。
さらに、地方では薬剤師は足りていないところが多いので、出身大学で足切りされることはまぁないと思っていいです。
薬剤師の就職に関しては求人サイトでも募集が多く、就職には困ることはなかなかないと思います。下記に参考サイトを紹介していますので見てみてください。
むしろ就職活動では、学歴よりも「大学生活に何をしてきたか。」が問われますので、しっかり充実した大学生活を送れるといいですね。
まとめ
では、最後にまとめておきます。偏差値の低い薬学部でも、国家試験に合格さえすれば、デメリットというデメリットはないので安心してください。
- 私立大学は偏差値:35~45で入学できる
- 国家試験の合格率は低い傾向にある
- 特待生などの経済的メリットは大きい
- 就職自体はそれほど難しくはない