昨今、話題となっているコロナ変異種について話していきたいと思います。
「正直、従来のコロナウィルスと何が違うのかわかんない」
「どういう定義なの?」
という方にもわかりやすく解説していきたいと思います。
コロナ変異種とはなにか?
そもそも「変異種って何?」っていうことですよね。これは、ウィルスの基本的な性質の話になります。
実は、ウィルスというのは時間が経つにつれて少しずつ変異する性質があるんですね。
例えば、インフルエンザは毎年のように変異型ウィルスが出てきますよね。基本的にはそれに合わせたワクチンを作ってやらないといけません。
「今年のインフルエンザは、ワクチン打ってあまり意味ないらしいで…」みたいなことが密かに言われるのはそのせいですね。
昨年に使用していたワクチンが、ウィルスの変異によって、今年は使えないなんていう可能性もあるわけです。
コロナの変異速度は2週間に1回
コロナウィルスは、約3万塩基で構成されたRNAウィルスで、この塩基配列が2週間で1ヶ所のペースで変異していると言われています。
これは、インフルエンザの1/2倍、AIDSウィルスの1/4倍で、それほど速くはないのですが、コロナウィルスに至っては、これが人間の感染部位に関連する箇所(アンジオテンシン受容体Ⅱ:ACE受容体)で起こってしまっているのです。
【コロナウィルスとの変異速度の比較】
・インフルエンザウィルス:約2倍
・AIDSウィルス:約4倍
そのため、この受容体に強固に結合する能力が強化されており、感染力が60〜70%増加しているといわれています。
これが、変異種が従来コロナウィルスに比べて危ないといわれている要因ですね。
通常であれば、変異するのはごくごく一部なのでウィルスの性質までが変化することはあまりないのですが、今回に限っては偶然それが起こってしまったということですね。
変異種ウィルスと認定される要因
ちなみに、ウィルス変異株として定義されるのは以下の要因です(wikipedia参考)。それ以外はごく微小な変化でしかありませんので、同じウィルスとして分類されることになります。
- 伝達率の向上羅患率の増加
- 死亡率の増加診断テストの回避機能
- ウィルス薬の感受性の低下
- 自然免疫を回避する能力
- 予防接種の効果 など…
変異種に既存のコロナワクチンは有効か?
現在、開発されているコロナワクチンは、ファイザー&バイオンテック社、モデルナ社のmRNAワクチン、アストラゼネカのアデノウィルス型ワクチンです。
ワクチン名 | ワクチン種 | 会社名 |
---|---|---|
コナミティ (一般名:トジナメラン) | mRNAワクチン | ファイザー(Phazer) &バイオンテック(BioNTech) |
mRNA-1273 | mRNAワクチン | モデルナ(Moderna) |
AZD-1222 | アデノウィルスワクチン | アストラゼネカ(AstraZeneca) |
ワクチンの種類は異なるのですが、いずれもコロナウィルス表面にあるスパイクタンパク(Sタンパク)に対する免疫反応を誘導して抗体をつくるという点では同じ作用機序です。
なので、ウィルス塩基配列の一部が変異してもワクチンの有効性にはそれほど影響はないといわれています。
実際に、変異株に対して有効かどうかは人間に接種して確かめる必要があるので、今後はっきりした結論が出るかと思いますが、現状は「安心なのかなー」という感じですかね。
コロナワクチンの改造は短期間で可能
仮に有効性が認められなかった場合でも、コロナワクチンで使用されている技術であるmRNAワクチンという技術では、短期間で変異種ワクチンを開発することができます。
バイオンテック社によると、1〜2ヶ月程度で改造することができると言っているのでその点は心強いですね。
医療テクノロジーの発展は凄いものだと改めて感じます。コロナワクチン技術についてはこちらの記事でも紹介していますので参考にしてください。
まとめ
コロナウィルスについて少しわかったでしょうか。今後の感染影響が気になりますが、それと同時に医療テクノロジーの進歩もかなりのものだと感じさせられますよね。
ということで、今回の記事の内容をまとめておきます。
- コロナウィルスの変異は2週間に1回
- 感染力に関わる部分で変異が起こっている
- 変異株ウィルスでは感染力が60〜70%増加している
- 既存のコロナワクチンでも効果はありそう